写真/松原豊 文/奥田裕久
自転車に乗って四日市をめぐった。
そして銭湯に入って身体の疲れと汗を流した。
「は~、気持ちよかった、極楽極楽」と言いながら四日市温泉を出てきたのが午後5時前。
トーゼン外はギンギンに明るい。
が、ワレワレはもう目をギラギラさせ、鼻息フンフンさせながら、飲み屋を探すのである!(笑)。
特にノーマルキコキコ自転車に乗り、なおかつアイスクリームすら食べることができなかったケロリンとスズキックスは喉の渇きが極限状態。
「ビール~・・・ビールをくでぇ・・・」
もはやアル中のゾンビ状態なのだ(笑)。
銭湯のまわりを少し歩いてみたが、まだ営業している店はない。
で、前回、ケロリンと写真師が下見取材で立ち寄ったお店へいくことにした。
5時には空いていたという確信のない記憶がふたりにかすかに残されていたのである(笑)。
が、その店「いろは」に行ってみると、おばちゃんが店の前に水を打ちながら開店準備中。
「あらあら、あんたら、また来てくれたん~!!」
ケロリンと写真師を見てすぐさまおばちゃんは反応した。
おばちゃんの記憶力がすごいのか、ケロリンと写真師の存在感がすごかったのか。
まあ、どっちでもいい話である(笑)。
しかし、おばちゃんは申し訳なさそうに言ったのだ。
「あんたらなあ、いくら何でも早すぎるわ~、もうちょっと待ってん。はよ準備するで~」
うーむ、仕方がない。
というわけで、しばしあたりを散策することに。
これが名称なのであろうか。
『明るい商店街』
こちらも四日市温泉のすぐそばにあるところだ。
商店街といっても、飲み屋が何軒かある路地みたいな感じ。
その朽ちた感じが、入るものを拒んでいるムードいっぱいである。
えー、一部は完全に崩れてます。
建物としては3階建てぐらいだろうけれど、そのゴチャゴチャ具合と雰囲気は、まさに香港の九龍城である。
明らかに潰れている店も多いが、まだ看板の新しい店もある。
なんとも不思議なところだ。
「あああ~、ここ好き! ここなら丸1日だっていられる!」と言ったのは、写真師マツバラである。
消えゆくものを愛する男。
銭湯よりも力を込めてバシャバシャバシャとシャッターを切る。
喉カラカラで干からびてしまいそうなケロリンとスズキックスは、いつまでもシャッターを切り続ける写真師の背中をじりじりと見て「早くせい早くせい」と呪文のビームを送り続ける(笑)。
いつもの写真師マツバラなら「さあビールのむぞ!」と声をかければ、「はい!」とカメラをしまうのであるが、今日は車のため飲めないので、その呪文は使えない。
彼が納得し、満足するのを待つしかないのだ。
ようやく写真師の最後の1枚が決まった!
さあ、おばちゃんが待っている「いろは」へいこう!!
「いろは」にてカンパーイ!
ワレワレが九龍めぐりをしているわずかな間に、すでに先客がひとりビールを傾けているのがすごい。
ここは大皿に料理を盛って、そこから好きなものをおつまみとしてもらうシステムになっているようだが、オープンしたてでおばちゃん鋭意料理製作中!
が、出来上がるなり、ワレワレが「それちょうだい!」と一気に食べちゃうので、「全然料理が並ばへんやん」とおばちゃんが困惑している(笑)。
銭湯に入って、ふらふら歩いて、気の合う仲間と明るいうちから呑む。
これが幸せだ、たぶん(笑)。
続いて2軒目。
まだ外は明るい。
ここはたまたま見つけたお店。
三重では珍しい立ち飲みのお店。
よく考えたら名前をちゃんと聞かなかったが、看板に「立呑」とある。
これでいいのかな?
酒にもこだわりあり、つまみは徹底して乾き物!
で、お支払いはキャッシュオンデリバリー(その都度払うやつね)。
面倒なのでみんなから金を集め、カウンターにどんとお金をおいておく。
飲んだぶんだけ、こっから持ってきやがれ、コノヤロウというわけだ(笑)。
1軒目の「いろは」で結構食べたので、ワレワレはもう乾き物で十分。
それをコンロであぶっていただく。
ほほう、憎い演出やね。
そして、このお店のすんばらしいところは、ホッピーがあること!!
最近三重でも取り扱うところが増えてきたが、まだまだ珍しい。
が、これをみんなで飲み過ぎて、あとあとタイヘンなことになる(笑)。
すっかり陽が落ちて、満を持して四日市クーロンに戻る。
が、特に飲み過ぎたワタクシとケロリンはワハハアハハの完全ヨッパライ状態。
1軒の居酒屋のようなスナックのようなお店に入ったのだが、見ず知らずのお客さんにからむは、踊るはの大騒ぎ。
しかもあろうことかカラオケを大熱唱して果てしなくズブズブに盛り上がっていったのであった。
なんでこんなに飲んじゃったんだろう?
こんなに乱れちゃったんだろう?
ま、すべて四日市の街と四日市温泉の魅力のせいさ、ということにしておこう(笑)。
「銭湯いこに」四日市編おわり